ケイトヤ代表取締役
宮地 英司 3組(福井)
故郷を飛び出したくてたまらなかった私自身が、家業の小売業を継ぐに当っては、自分を得心させるだけの余程の理由が必要でした。
大学3年の時、それまで休会していた「早稲田大学福井県人会」の再立ち上げにたまたま参画し、その県人会を母体に「早稲田大学グリークラブ(男声合唱団)」の福井公演の主催を引き受けるはめになりました。就職活動に余念のない同級生達を尻目に、大学3年から4年の殆んどは、県人会の組織固めと「グリークラブ福井公演」の為に忙殺されました。半ばやけくそで没頭しました。
結果的に福井公演は、立見席が出るほどの大盛況。クラッシックコンサートの入館者では当時の福井文化会館のレコードを更新しました。収益も大幅黒字になり、その一部100万円相当を県立図書館に「福井早稲田大学文庫」として寄贈しました。
コンサートでの望外の成功が、自分自身を納得させ福井で小売業を継ぐ動機付けになりました。自分が良いと信じ夢中になったものは、必ず福井でも受け入れられる。一連のプロモートといった裏方の業務は、実は創造に勝るとも劣らない重要でエキサイティングな仕事だということに気づかされたのです。
小売業の本質も、実はプロモート以外の何物でもありません。家業の小売業という地道な仕事が、男子一生を賭けて悔いのないかけがえのないものに見え始めました。
小売業者である私がこれまでに関わった都市再生の仕事は、「駅前賑わいの道づくり事業」と「柴田神社および公園の整備事業」です。
小売業にとって立地環境は、商材や人材に劣らぬほど重要なファクターだと考えているからです。
小売業に於いては、父祖伝来の店の立地環境を高めることは宿命に近い。そしてそれに到る営為は、自らばかりか、周辺に集うもの皆を利するほどの新たな価値を創出します。商業は実は価値の交易であり、価値をやり取りすることによってまた新たな価値が創出される。商業の繁栄は文物の交流を促進し、その街の殷賑をさえ決する。そうした磁場にも似た仕掛けの整備こそが、今のこの街には最も大切な仕事だと考えたわけです。
人間の営為が積み上げた街には、俄か造りのショッピングセンターにはない魅力があります。時に猥雑であり時に不潔であったりする部分も、街の魅力や深みを増す上での欠かせぬエッセンスになり得ます。私の仕事は、街にそうしたエッセンスを1つ増やす仕事に他なりません。
他所にはない新しい価値を見出し、それを店に並べて売る。買い手は更に新しい付加価値を見出して購入する。そうした営みの膨大な積み重ねは、新たな工夫と解釈を呼び込み更なる進化を促します。殷賑とは、そうしたメカニズムが連綿と続く状態をいいます。そうした価値創出と進化の現場に、当事者の一人としてリアルタイムに臨場できることこそが、小売業の本当の醍醐味だと考えています。
価値創出の醍醐味を少しでもお伝えできれば、先輩としての微力を致すことができるのではないかと考えています。
徒労記
3組 宮地 英司
多分あり得ない話ですが、再演を乞われれば、無論おことわり申し上げたい。生徒たちに第一希望か否かを質問したところ、80%が第一希望と答えてくれたが、無論俄には信じ難い。お互い難儀なことだというのが正直の感想です。
子供たちは大変まじめでした。我々の頃と比べれば、大変質が良い。品もある。格も高い。教壇の上で四苦八苦する講師をあわれんでか、極めて能動的に聞こうとしてくれた。惜しむらくは、試験明けであること、風のそよぎが快かったことが災いしてか、黒甜郷を夢現でさ迷う姿が散見されました。
つきそいの先生が、しきりにうなずき、拍手して反応をさそってくれたが、誠にかたじけなく気の毒であったと思う。
比類のない経験であったことにはちがいなく、その意味では?恩に深謝しています。
ようこそ先輩
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