薬剤師
前田 朋子 9組(神奈川)
去る3月に『鼻歌まじりで神経症』という本を出版しました。喜怒哀楽の激しい私は、藤高時代にも自律神経失調症でたまに倒れ、授業に飽きたら保健室、学校に飽きたらすぐ遅刻、と多彩な体験をしてきました。勿論人並みに明るい高校生の顔も持っていました。今思えば自分の心の奥を読み取れなくて、時々持て余していたのだと思います。
出版以来、多くの方のお声を頂きました。「自分で自分が分からなくてとても辛い」、「周囲には隠して鬱の薬を飲みながら耐えてきた」というような重いものから、「あなたの本を読んだら自分よりアホなので安心したよ」という失礼なもの(実はこのテの感想が案外嬉しい)までさまざま……。
若い時はバラ色の未来を見つめられる時間が多いと思います。希望の職業に就いて素敵な恋をして……と。でも、もしも予定が狂ったり心がユラユラと揺れてしまう局面に出くわしたらどうすればいいか - - - 自分の体験を通してお話ができたならと思っています。そしてそれが薬剤師という職業にどう活かされてきているかも楽しく告白したいと思います。
人間は変化するものです。その意味では多分死ぬまで、毎日毎日がスタートなのでしょう。高校時代に伸びた柔らかな心の新芽は、これから出会ういろんなことを栄養とし、固有の光を放つようになっていくと思います。そして体が衰えても輝きを増すこともあり、何度失敗してもやり直せるという点で、心のスタートには遅すぎることが決してありません。
夢は必ず実現すると走っているうちに、ある日転んだり疲れたりして立ち止まってしまったとしても、全ては必ず感動と感謝の海につながっているんだよ、という究極のプラス思考が心の根底にあれば、安心して思う存分一度きりの人生に挑戦し、結果としての自分をいとおしみながら生きていくことができるのだと思います。
「ようこそ先輩」を終えて
9組 前田 朋子
成り行きでお引き受けしてしまった「ようこそせんぱい」・・・・さんざんでした。自分の準備不足をタナに上げて文句は言えないのですが、なんとまあ今の高校生は大人しいんでしょう!! 自分の子なら「オイ、何とか言えよ!」と怒鳴れるけれど、よそのお子様ではそうもいかず、こっちもあせって段々口調が速くなり、ふと気付くと予定の15分も前にバクダンのようにしゃべり尽して終わってしまっていました。私の話を選んで下さったからには少し位の悩みはあるのかと思いきや、「別にありません」との返事。あとから先生に伺うと、「そういう子達は既に登校拒否なんかになっちゃってるんですよね」ですって・・・先に言ってくれェ〜という感じです。控え室で、「実にひどかった」と言っている仲間の言葉だけが救いで、他人の不幸に今日ほど勇気づけられた日も珍しい。しかし、共通の不幸を通じて新しい友情がはぐくまれたことに最終的に感謝しています。
人生いろいろあるのが面白いという日頃の持論からすれば、今回の体験は藤校生のためよりも45才の私への差し入れだったのかも・・・。いずれにしても、滅多とない珍味ではありました。感謝致します。
ようこそ先輩
概要 | 藤高から | 担当者から 笠原氏 ・ 西村氏| PHOTOS of 当日説明会
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