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ようこそ先輩/H16.05.21 藤高

心理検査から人を知る

松原病院カウンセラ
佐々木 雅代 7組(福井)

 興味をかきたてられ、学び続ける励みを失わずにいられる仕事に出会えることは、幸運です。私にとってロールシャッハは、その一つです。といって初めから仕事にするぞと志を立てていたわけではありません。学部を卒業して精神科に心理士として就職するのに必須技術である以上のものではありませんでした。しかも当時、若くて未熟な私にとって、この検査は、黄ばんだ古い教科書に載っている、歴史上高名な学者たちが既に体系化されたもので、無知な私はそれをいかに正しく使えるようになるかが努力のしどころでした。

 ところが、実際精神科で働きだして、心理検査を使っていくうちに、私は迷路にはまって行きました。その人がいかに病的であるか異常であるかを浮き彫りにすると同僚の私に対する評価は高まりました。検査結果はそれを受けた患者に知らされることなく、どう具合が悪いかを当人は知らず、医療スタッフが専門家の高みから判断していました。20年前の精神科医療はこれが普通だったのです。しかし私は教科書にのっている解釈にたいして本当にそんなことを言っていいのかしらと疑問が膨らむばかりでした。

 仕事をはじめて10年ほどして、新しいロールシャッハを作り直している人がいることを知りました。それまでの考え方を大きく変えるものでした。まず、検査結果が示してくれる人格構造は多面的であること。それぞれの面でいびつな特性があっても、人はバランス次第で社会で自分を生かしえていること。つまり危い面があれば、その一方で健康にカバーする力もあること。検査を受けた人は、希望すればデータを説明され、自分の具合の悪さも、回復への足がかりもわかること。データの読み込みに疑問や不確実なところがあれば、検証しなおされていく柔軟性をもつこと。おかげで、検査結果を患者さんと一緒にみながら、人間って本当に面白くうまくできれいるもんだと関心しきりなのです。

 当日は、生徒さんも知っている人のデータを見ながら、人格構造の妙を一緒に味わえたらと思います。

「ようこそ先輩」を終えて

7組 佐々木 雅代

 今、授業を終えた直後。首の後ろあたりに緊張のまだ抜け切れない感じが残っています。

 一時間もの間、話がもつかしらと心配でたまらなかったのですが、終わったところ、話し残したこともいっぱいあって、結局力んじゃったのですわ。久しぶり。力むの楽しかったです。

 ロールシャッハの図版を本物というわけにはいきませんでしたが、生徒に見せて反応を出してもらいました。面白い。豊かな反応で一杯。精神的資質の豊かさ、巾の広さに感激して、しばしの間、藤島高校の同窓生の一人になることに誇りを味わってしまいました。

 終了してから5,6人の女子生徒が、検査データの成り立ちや、読みとり方について質問をしてくれました。生々した知的好奇心を投げかけてもらうと、私もまた頑張るぞというエネルギーになりました。ありがとう。

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