高良国際特許事務所 弁理士
高良 尚志 7組(京都)
知的財産権には特許、実用新案、意匠、著作権、商標、不正競争等があります。インクジェットプリンタを例に特許・意匠・商標の実際の公報を見ると、研究開発段階の技術内容が特許、製品のデザインが意匠、商品のネーミングが商標になることがわかります。
私の職業(弁理士)は、主に特許(技術的創作)、意匠(デザインの創作)、商標(商品等の識別のための文字・図形)の権利取得のため、内容を分析・検討して特許庁への手続や裁判を行い、また外国での特許取得のための手続等を行うものです。中でも特許(半導体結晶膜の成長方法[青色LED]、ノーベル賞の田中さんのレーザイオン化質量分析計用試料作成方法、エジソンの白熱電灯等)は大きなウエイトを占めるため、弁理士の大部分は理科系出身です。
特許取得には手続自体に費用と労力を要します。でも特許制度がないと、多額の費用と膨大な労力による研究開発の成果が真似られ、自ら研究開発するより真似た方が得になって、技術は進歩せず産業は停滞します。
企業としては、特許で研究開発成果を独占しなければ、費用回収と利益確保は困難です。一方、苦労して開発した製品が他人の特許を侵害すると、販売差止や損害賠償請求により元も子もなくなるため、日々の研究開発段階で他社特許を十分把握して回避しなければなりません。逆に他社特許を用いない新技術は新たな特許の対象になります。その意味で、物作りの会社にとって特許は日常的なものなのです。
日本は、付加価値の低い製品等では労働力が低廉な国との競争が困難になりました。そこで小泉首相が設けた知的財産戦略会議は、特許を始めとする知的財産により高付加価値化を進め、経済・社会を活性化して21世紀を生き抜こうという「知的財産立国」のための知的財産戦略大綱を作りました。今後知的財産の重要性は益々増大すると思われます。
「ようこそ先輩」講演感想
7組 高良 尚志
最初はやや緊張気味に授業を始めまして、予定していたことを飛ばしたりしていましたが、話を進めるうちに、つい詳しく話し過ぎたり、生徒に質問をしたりして、かなり時間を費やしてしまいました。そのため、前半は詳しすぎるきらいがあり、後半は、予め用意していた話しをかなり縮小したり、一部の話をカットして、時間内にまとめることになりました。後半は短縮バージョンを用意していたので、なんとかなったかとも思いますが、私としては、高校生を対象とするのは経験がなく、もう少し時間配分をよく考えておけばよかったかと思います。
私の職業(弁理士)を知っている人が、聞いて戴いていた先生を含めて一人もいなかったのには、福井県に弁理士が数人しかいないので覚悟していたとはいえ、ややショックでした。でも、中にはお疲れの生徒もいましたが、結構よく聞いてもらえて大変うれしく思いました。
ようこそ先輩
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