心理カウンセラー
鈴木 るみ子 2組(福井)
『モモ』を知っていますか? ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデの書いたお話です。「モモ」という女の子は、どこからかいつのまにかやってきたのですが、人の話を「ほんとうに聞く」能力を持っていて町の人たちの大切な存在になります。人だけではありません、動物たちや、雨や風、星々の声も聞くことができるのです。モモと町の人々や子どもたちは、実に豊かな時間を共有します。ところが、「灰色の男たち」軍団がひたひたとやってきて、人々の心に忍び込み、時間を盗んでいきます。人々はすっかり時間どろぼうにやられてしまい、わき目もふらず「時間節約」を始めます。心の中は平安を失い、いつも焦るようにせかせか生きていくようになります。ひとりぼっちになったモモの前に現れたのが一匹のカメ、その名前が「カシオペイア」です。カメはモモを時間の国へと連れていき、モモはそこでマイスター・ホラという不思議な男から、人間にとって「時間」とは何なのかを教えてもらいます。そして時間どろぼうに立ち向かっていきます。
私はカウンセラーです。カウンセリングを学び始めた頃にこの話を読んで、自分がすっかり時間どろぼうにやられていることに愕然としました。時間というものについて考えました。モモが見た美しい時間の花や天空の音楽のことを何度も想像しました。この話は「今この瞬間」を生きることの大切さを教えてくれます。「今ここ」に生きることはカウンセリングの学びそのものでした。ようやく、私の心の中に時間の花が咲くようになりました。
四年前に、三国の森の中にセルフビルドでドーム型の建物を建てました。ドームはカメの形にも似ています。名前を「カウンセリングドーム・カシオペイア」とつけました。カシオペイアはモモを時間の国へ案内し、人々に時間を取り戻すのにひと役買いました。そんな案内役にこのドームがなれるといいなと思いました。この小さなドームに訪れるいろんな方と、私はカウンセリングを行っています。モモとまでいきませんが、人々や自然の声に耳を傾け、自分たちの「時間」を取り戻すお仕事です。私のささやかな体験を交え、皆さんに「人生」という一度限りの時間をどう過ごすかについて提案をさせていただけたらと思います。
「ようこそ先輩」授業を終えて
2組 鈴木 るみ子
今日は朝からワクワクしていました。「ようこそ先輩」の授業で話す内容は、今の私自身の核となる部分です。私にとっての宝物をそっと大切な友達に見せにいくような気持ちでした。他人の宝物は人によってガラクタかもしれません。でもそれが、わたしにとってはどんなに素晴らしく感じられるか、伝えてみたく思いました。
藤島高校は確かに母校ですが、高校時代の悩み多かった自分を見出すようで校舎に入るのは複雑な気持ちでした。生徒たちの前に立った時、たくさんの過去の自分の分身がそこにいるようにも思いました。でも、一人一人の生徒たちを見たとき、全く新鮮な気持ちになりました。新しい出会いがありました。
生徒たちは実によく聞いてくれました。おかげで、私は上着を脱ぎ、少し歩きまわりながら、熱い気持ちで、高いテンションのままで一時間駆け抜けた感じです。少し思い入れが強すぎたかもしれません。たくさんの生徒たちが、集中した視線を返してくれたり、瞳を大きくしたり、うなづいたり、反応してくれたことは大きな支えになりました。うとうとした子も何人かいましたけどネ。今うれしい充実感の中にいます。よい機会をいただき、ありがとうございました。
ようこそ先輩
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